風に想いをのせて・・・

風に舞う花のように~第1章~

時間があったので昔から何となく作ってみたものを載せて見ようと思いました。
この話に関しては全て私が独断で作ったものであり、登場人物に関して一切了承を得ておりません。
苦情等がありましたら遠慮なく申し上げてください、確認次第このカテゴリーに投稿した全ての記事を削除いたします。
以上のことを念頭に私の徒然なる物語をお楽しみいただけたら幸いです。

注意:私自身文章作成能力が大変乏しいため誤った言葉使いや語句が頻繁に登場します。
    その点については最初にお詫び申し上げます。



キン!
甲高い金属音と共に剣が中を舞う。
「く・・・・」
「私も・・もう・・」
「ここまでワタシが追い詰められるとは・・・傷の治癒にどれだけ時間がかかるか貴様らにわかるか!?
このワタシから貴重な時間を奪った貴様らを生かしておくわけにはいかない!!」
そう言い不死者は詠唱を始めた。
「死をもって償え!!メテオストーム!!!」
無数の凄まじい火球が襲い掛かる!
「ねぇ・・・生まれ変わっても・・一緒に居てくれる?」
「ああ・・約束する」
「よかった・・・ずっと・・私を捕まえていてね・・」
「ああ・・・」
離れえぬよう・・・流されぬよう・・二人は繋いだ手を・・・強く握った・・・


風が吹く・・・
優しく包み込むその風は、想いを乗せて流れていく・・
時には悲しい想いも乗せて淡く切なくどこまでも・・・
遠く遠くの誰かのもとへ・・
想いを乗せて流れていく・・

            ~第一章「風」~

風に黄色い髪をなびかせながら、一人の剣士が空を見上げていた。
「雪か・・」
「っ・・!!」
一瞬何かの光景が剣士の脳裏をよぎったが、それが何なのか剣士にはわからなかった。
雪を見ると時折このように何かを思い出しそうになる自分に、剣士は迷いを感じていた。
「・・ト・・ルト・・・・・イルトってば~」
突然声が聞こえ我に返った剣士は振り向いた。
すると少し長めの銀色の髪を風になびかせながら、一人の女性アコライトが剣士の後ろに立っていた。
「なんだ、ルイか」
「え?まさか気づいてなかったの?少し前からいたのに・・」
「あ・・ゴメン、少し考え事してて」
「もう・・相変わらずなんだから、もう慣れたけど。ねぇイルトはここで何してたの?」
「雪を・・見ていたんだ」
「雪を??」
ルイは首をかしげて不思議そうにイルトを見ていた。
「雪を見てたら何かを思い出せそうな気がしたんだ・・」
「そっか・・・・・」
イルトの言葉を聞きルイは少し表情を曇らせた。
イルトと名乗る剣士には記憶が無かった。
どこで生まれたのか、両親は誰なのかそれすらもわからなかった。
ただ一つわかることは自分の名前・・・それだけだった。
「あれからもう一年か・・・・・早いな」
「うん・・・あの日、私の家の近くで傷だらけのイルトをみつけたときはもうホントに驚いちゃった。あんなに傷だらけの人初めてみたから・・・」
そう話しながらルイは目に薄っすらと涙を浮かべていた。
「ル・ルイ、何も泣かなくても・・」
「だって・・・思い出したら・・うぅ・・」
「も・・もうしないって約束するから泣き止んでよルイ」
「ホントに?もう無茶しない?」
「ああ、約束する」
そう言ってイルトはルイの頭を撫でた。
「・・・・・・・・」
ルイは少し恥ずかしそうに顔を赤らめ、うつむきながら小さく呟いた。
「・・・どこにも・・いかないでね・・・」
「ん?ルイ何か言ったか?」
「何でもない、秘密♪」
「何か気になる言い方だけど・・まぁいいか。
それよりもルイ、俺に何か用あるのか?」
「あ・・そうだったあのね、もうすぐ夕飯だって」
「そっか、そういえばお腹もすいてきたしそろそろ帰るか」
「うん」
「あっルイ、俺もすぐ行くから先に帰っていてくれないか?」
「うに???わかったけどすぐに来てね?」
「ああ」
ルイはそう言うと家へと戻っていった。
「風と雪・・か・・」
イルトは風に舞う雪を眺めてそう呟いた。
自分は何かを知っている・・思い出してはいけないようなすごく悲しい何かを・・。
「いや・・・もう気にするのはよそう」
そう言いイルトは見えない不安を振りほどく様に首を振り、その場を後にした。

                           [2]

「ただいま戻りました。おじさん、おばさん遅れてすいません」
イルトはルイの両親に軽く謝ると、食事が並んだテーブルへと腰を下ろした。
「イルト遅い!すぐに来るって言ったじゃない!!」
どうやらルイは少し怒りモードのようだ。
「まぁそんなに怒ることもないじゃないかルイ、イルト君にだって悪気があって遅れた訳でもないし」
「それはそうだけど・・・。もう・・パパはいつもそうイルトに甘いんだから」
ルイはまだ少し不満そうだった。
「そういえばおじさん、ここって雪が止むことはないんですか?」
イルトはふと思ったことを聞いてみた。
「そうだな、ここはルティエの近くだから雪は止まないんだよ。
ここに住んでいる人じゃなければ一年中雪景色って言うのはあまり馴染まないことかもしれないね」
ルイの父親は優しい顔でそう答えた。
ここは雪の街ルティエから北東に位置する山奥にある集落で、村人は全部で十数人という小さな村。
ルティエとは一年中雪が降ることで有名で、毎年クリスマスになると多くの人で賑わう街でもある。
もちろんこの村もルティエに近いこともあり一年中雪がやむことはなく、気候的には厳しいが、村人はとても親切でお互いを助け合いながら細々暮らしていた。
ここにイルトが来たのは今から一年前、傷だらけの姿でこの村の前で倒れているところをルイが見つけ、傷の手当をしてくれたのだった。
イルトの傷はすぐに癒えたが問題があった。
イルトは今までの記憶を全て失ってた。
倒れながらも握り締めていた一本の剣がイルトの職業を教えてくれたがそれ以外のことは何もわからなかった。
しかし記憶を失い行き場を無くしたイルトをルイの両親は温かく受け入れてくれ、こうして今はルイの家族と一緒に暮らしていた。
あまり裕福ではなくてもとても温かい家庭に、イルトは自分の居場所と安心を見つけていた。
「そうなんですか」
「どうしたんだい?やっぱり一年中雪なのは嫌かい?」
「いえいえ、ここの雪は綺麗ですし気に入ってますよ。ただ・・少し気になっただけです」
イルトは少し複雑だった、自分は雪以外の景色はあまり知らなかったからである。
「さぁ冷めないうちにご飯をいただきましょう」
ルイの母親はそう言って椅子に腰掛けた。
「おお~そうだったな、それでは食べようか」
「いただきます」
こんな感じでいつも始まる食事にも、イルトは幸せを感じていた。
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by iruto | 2007-06-05 21:44 | 風に舞う花のように
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