風に想いをのせて・・・

風に舞う花のように~第1章~

続きもいくぜ(`・ω・´)シャキーン



[11]

ルイを連れて山を降りる途中イルトはずっと嫌な予感を拭い去ることが出来なかった。
ルイの父親が残した言葉・・それがずっと気になっていた。
村を襲った誰かがルイを捜している・・。
何故ルイを捜しているのかイルトにはわからない。
だがその誰かに見つかれば間違いなくルイが危ない、それだけはなんとしても避けなければならなかった。
そしてイルトは自分の持っている剣を見た。
自分が過去に使っていた剣・・・。
記憶を無くした自分にこの剣を上手く使うことが出来るのかさえわからない・・。
だがもしそうなったときはやるしかない・・命にかけてもルイを守る、イルトはそう覚悟を決めていた。
「ねぇイルト、これからどこへ行くの?」
「とりあえずこの山を降りてアルデバランに向かおうと思う」
「アルデバランか・・確か前に一緒に行ったよね・・」
「ああ、そうだね」
「でもあのときは・・・パパとママも一緒・・・だったね・・」
「ああ・・・」
「・・・・・」
そう言って二人は言葉を失ってしまった。
さっきまでそこにあったはずの平穏は今はもうない、そう実感しなければいけなかった。
時々会話をしてはまた言葉を失ってしまう。
そんなことを繰り返した二人だったが、でもその度に二人は強くお互いの手を握った。
そして山を降りた二人はルティエに向かったさっきとは反対の方向、アルデバランへと足を進めた。
「ルイは大丈夫か?疲れたなら少し休むよ?さっきから雪の中を歩き続けているし・・」
「ううん大丈夫、もう少しでアルデバランに着くから頑張る」
「そっか、でも無理だったら言ってよ?」
「うんわかった」
もう少しでアルデバランに着ける、そう思うと少しだけ心が軽くなった気がした。
ルイを捜している誰かにみつかるのがとても恐ろしかった・・・
だが、アルデバランまで行けばルイを捜している誰かからはとりあえず逃げることが出来る・・・。
だからこそイルトは少しでも早くアルデバランに着きたかった。
「(もう少し・・もう少し何だ・・だから見つからないでくれ・・・)」
そうイルトは心の中で願っていた。
「そういえばイルト、アルデバランに着いたら何をするの?」
「そうだね~とりあえず宿でも探そうかと・・・・」
その時、突然背後に凍りつくような殺気を感じた。
「!!!!」
驚き後ろを振り向くと、そこには黒いマントに身を包んだ一人の不死者が怪しげにこちらを見ていた。
怪しげなオーラを漂わせ宙に浮くその不死者・・・ダークイリュージョンであった。
「っ!!!」
不死者を見た瞬間、イルトは何かを思い出しそうになるが直ぐに我に還った。
「見つけたゾ・・・銀髪の女・・」
「!!」
イルトは言葉を失った。
しまった・・・。
何故こんな殺気を見つかるまで気づかなかったのか・・・。
目的地が近づき焦りから注意を怠った自分にイルトは後悔した。
「こんなトコロにいるとは、捜すのに少し手間取ったゾ・・・ヒヒヒ」
禍々しく話すその言葉は絶望へと誘うレクイエムに聞こえた。
勝てるわけが無い・・イルトは一瞬でそう悟った。
「ルイ逃げるぞ!!」
そう言うや否やイルトはルイの手を引き逃げようとした。
しかし敵はその隙を見逃さず一瞬で回り込んだ。
「ドコへいく・・逃がしはシナイ・・ククク」
「何故ルイを狙う!?」
「ワタシは主の命にヨリ動いているだけ・・・お前には関係のないコトダ・・・クク」
不死者はそう言いながらも不気味に笑っていた。
逃げることは不可能と悟ったイルトは剣を鞘から引き抜き身構えた。
「ルイは渡さない!!」
「ほぅ・・ワタシとやる気カ?そのユウキは認めるがやめておけ・・・ヒヒヒ。
しかし、ただコロスのでは面白くナイ・・少し遊ぶとしよウ・・クククク」
不死者はそう言うと何かの詠唱を始めた。
「マズ手始めにコレで様子見ダ・・コレで死ぬなよ・・ヒヒ」
不死者が怪しげな光を放つと、その光の中から無数のゾンビが現れた!
無数のゾンビが二人に襲い掛かる。
「くそ!」
イルトはゾンビの攻撃をかわし剣を振るう。
ザン!
イルトは慣れない手つきでも懸命に剣を振るいゾンビを牽制する。
「ドウシタ剣士?剣の振るい方が素人みたいダゾ・・・ヒヒ」
ザシュ!・・ザン!
無我夢中で剣を振るうイルトには不死者の言葉は届いていなかった。
イルトが前衛でゾンビを牽制し、ルイが後衛でヒールを使いゾンビを浄化した。
傷を負いながらも二人は全てのゾンビを倒すと不死者はニヤリと笑った。
「そうこなくてはナ・・コレでシンデハ面白くない・・・ではコレはどうかナ?・・ヒヒ」
そう言って不死者はまた詠唱を始め怪しげな光を放った。
すると今度は光の中から二匹のグールが現れた!
ルイはイルトにヒールと速度増加、そしてブレッシングをかけた。
傷が回復し、身体も軽くなる。ありがたい。
イルトは剣を構えなおすと、グールに向かって切りかかろうとした。
しかしイルトは途中で剣を止め後ろへと後退する。
そしてルイもイルトの様子に異変を感じグールを見て異変の意味を知った。
「そ・・・そんな・・・どうして・・」
イルトは剣の構えを解いた。
二匹のグール・・それはルイの両親だった。
そしてよく見ると倒したゾンビも皆、村の住人だった。
しかし不死者と化したルイの両親は猛然とイルトへと襲い掛かった。
「おじさん!おばさん!やめてよ!!どうしてこんなこと・・」
イルトは攻撃を何とかかわしながらも必死にそう呼びかけた。
しかしルイの両親にはもう心は存在していなかった・・・
ただ目の前の敵を攻撃するだけに生まれた存在・・魔物へと変わっていた。
「おじさん!おばさん!」
それでもイルトは諦めず呼び続けた。
しかしルイの両親は猛然と攻撃を続けるだけだった。
「ワタシからのプレゼントは気に入ってもらえたカナ?・・・ククク」
不死者は絶景を見るような目で楽しんでいた。
「・・・キサマ!」
イルトは笑う不死者へと切りかかろうとした、だがそれを拒むかの様にルイの両親はイルトを攻撃する。
ズブ!!
ルイの父親の鋭い爪がイルトの背中に深く突き刺さった!!
「ぐぁ!」
イルトは後退しルイの父親から身を離すと、その場に手をついた。
「はぁはぁ・・」
「オヤオヤ・・余所見をしてはいけませんヨ・・クク」
「イルト!!」
慌ててルイがイルトに駆け寄る。
「待ってて今治療する!」
そう言ってルイはイルトの傷口にヒールをかけた。
傷がふさがっていく。
「すまない」
傷の癒えたイルトは立ち上がる。
だがイルトにはルイの両親に剣を構えることは出来なかった・・・。
「く・・どうすればいい・・・」
「イルト・・・」
その間にもルイの両親はイルト目掛けてこちらに向かってくる。
だがイルトは迷い攻撃をすることは出来ないでいた。
攻撃もせずただ攻撃をかわし続けるイルトだが、剣士にグールの攻撃を完全にかわせるはずもなく傷だけが増えていく。
「く・・」
かわすことだけに専念していても、かわすのはやっとだった。
何もせずただ傷ついていくイルトを見てルイは何かを決心した。
ルイはイルトの前に出るとルイの父親へとヒールをかけた!
「がうぅ!」
ルイの父親はその浄化の光に怯み後退した。
「イルト・・お願い・・戦って・・・」
ルイは涙を流しながらそう言った。
「ルイ・・・・・」
「私・・・イルトが好きだから・・・だから・・・お願い・・」
その言葉でイルトの迷いが消えた。
キ!
イルトはルイの両親を見据え、そして剣を身構えるとルイの父親へと切りかかった!
ザシュ!!!
そして怯んだルイの父親にルイの二連続のヒールが襲った。
「グウゥ!」
浄化の光をまともに受けたルイの父親は、悲鳴と共にその場に崩れ落ちた。
「おじさん・・っく!」
休む暇もなくルイの母親の攻撃がイルトを襲う!
ギリギリでかわし一撃を加える。
ザン!
そのタイミングに合わせてルイも母親にヒールを放つ。
「グァ!」
ルイの母親は一瞬怯んだが攻撃をやめなかった。
「ぅ!」
かわしきれず攻撃が少しかすったが、臆すことなくイルトは二撃目を放つ。
ザン!!
今度はまともに斬撃が入りルイの母親は仰け反った。
その隙にルイはイルトにヒールをかけた。
「さようなら・・・おばさん・・・」
イルトはルイの母親の心臓に剣を突き立てようとしたその時
「・・イ・・ル・・クン・・・」
「!?」
咄嗟に攻撃をやめイルトは後ずさった。
「おばさん?」
「・・イ・・・ル・・・」
微かに聞こえるような声でルイの母親は確かにイルトの名前を呼んだ。
「おばさん!!俺が・・俺がわかるの!?」
「・・・・イ・・・・ル・・・ク・・」
うわ言の様にそう言いながらその場に立ち尽くすルイの母親。
「おばさん・・よかった・・思い出したんだね」
イルトは急いでルイの母親へと駆け寄った。
「おばさんしっかりして!」
イルトは必死にルイの母親へと話しかける。
しかしルイの母親からの反応は薄い。
「おばさん!」
諦めずにルイの母親へと呼びかける。
だが、そのとき突然反応の薄かったルイの母親がニヤリと笑い
「・・イ・・・・ル・・・・シネ!」
そう言って無防備なイルトの心臓目掛けて攻撃を仕掛けた!
「な!!?」
罠だと気づくのが遅すぎた・・・無防備なイルトにはもう攻撃をかわすことは出来ない・・・
・・・・・・殺られる・・・。
ズブシュ!!!!
とても鈍い音が辺りに木霊した。
イルトには一瞬何が起こったのかわからなかった。
全ての時間が凍りつく・・・・・
ルイの母親の攻撃を受けるのは自分だったはずなのに・・・・
目の前に広がった光景、それはルイの母親の手がルイの身体を突き破っている光景だった・・・。
「え・・・・・・・?」
再び動き出した時間・・・
ルイはその場に崩れ落ちた・・・・・。
「ルイ!!!!!!!」
イルトはルイの母親へ一撃を加え止めを刺すと、ルイを慌てて抱き起こした。
貫かれた傷口から血があふれ出す・・・。
「ルイ!?・・どうしてこんな・・・」
「イルト・・・わからない・・。
ただ・・夢中で・・・よかった・・・イルトが無事で・・・」
「今手当てするから!」
そう言って傷の手当をしようとするイルトをルイは止めた。
「もう・・毒が・・回ってるから・・助からないよ・・・」
「そんなことない!そんなこと・・・」
だがイルトにはもうわかっていた・・。
ルイの傷口から出る夥しい血の量と体内に回った毒・・・その全てがルイはもう助からないと物語っていた。
「俺が迷わずに止めを刺してれば・・・」
「ねぇ・・イルト・・笑って・・。私は・・そんな悲しい顔・・見たくない・・よ・・・。
最後は・・笑ったイルトの顔・・・見ていたいな・・」
「ルイ・・ルイ・・・・」
「私は大丈夫・・死んでもイルトの花になるから。イルトを笑顔にし続けるから・・・ずっと・・・傍にいるから・・」
「ルイ・・俺は・・・・」
「イルト・・迷わない・・で・・。必ず・・道・・は・・開ける・・から」
「・・・・・・・・・」
「イルト・・これを・・受け取って・・・」
そう言ってルイはイルトに古ぼけた指輪を渡した。
「これは・・?」
「それ・・私が物心つく・・・前から・持ってたの・・・。
きっと・・そ・・れ・・がイルトを・・・守るから・・・だから・・・」
「わかったよ・・・ルイ・・」
そう言ってイルトは涙を流しながら笑顔を作った。
「その・・笑顔・・・忘れないで・・・ね・・・・・最後・・が・・イ・・ルイ・・の・・う・・で・の・・中で・・よかっ・・・・」
そして突然ルイの身体から全ての力が抜けた・・・
「ルイ?ルイ!?・・・ルイィィィィィィィィィ!!!!!」
イルトの言葉が辺りに木霊した。
辛かった・・悲しかった・・淋しかった・・。
そして何より大切な人さえ守ることの出来なかった自分に無力さと怒りを感じた・・。
「ほほぅ~・・・死んだカ。わざわざコロス手間が省けてヨカッタ。
虫けらにしてはナカナカ楽しませてもらったヨ・・・ククク」
「・・・・ナンダト・・」
「虫けらでも頑張っタ方ではないノカ?死ぬ姿も虫けらのヨウに儚かったガナ・・・ヒヒヒ」
「・・・・・キサマ・・・」
「君にはもうヨウはない、ワタシは戻ることにするヨ。これはワタシからのセンベツだ、受け取ってくれ・・・・ククク」
不死者は再度詠唱を始めた。
「ルイ・・ゴメン・・。俺・・今だけは笑顔になんてなれないよ・・俺は・・あいつが憎い・・。あいつは・・・あいつだけは・・・・・」
許さない・・・心からそう思った時、イルトの中で何かが音を立てて弾けた・・。
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
突然イルトの淡い青色の瞳が紅へと変わった・・・・。
「・・・・・許さない・・」
そして、殺気に満ちた紅の瞳が不死者を捕らえた。
「お前は・・お前だけは・・・」
オートバーサクを発動し、イルトは不死者へ切りかかった!
しかしイルトの攻撃をかわした不死者は謎の光を放った。
「お前の相手はワタシではない・・・精々楽しむんだナ・・・ヒヒヒ」
そう言って不死者は光の中へと消えていった。
そして光の中から無数のグール・・そして一匹のレイスが現れた。
8・・いや9匹はいるだろうグールが一斉にイルトへと飛び掛る!
「・・・・・我願う悠久の時と共に草木に眠る精霊達よ、忌むべき時を刻まんとする闇を断ち切る為に・・汝の力を求め訴えたし・・・我は闇の時を断ち切る月幻より生まれし悠風の使者・・・」
何かの詠唱を唱えながらイルトは飛び掛るグールの攻撃をかわし、敵の群れの中心に入り込む。
「はぁぁ!!」
イルトは魔力を煉り剣に炎を宿らせた。
「想いよ刻め!!マグナムブレイク!!」
イルトは剣に宿る炎を振るい爆炎を起こした。
ドン!!
イルトを中心に凄まじい爆炎が巻き起こり吹き飛ばされるグールの群れ。
イルトは一瞬で吹き飛んだグールの間合いをつめると追撃を加えた。
ザシュ!
まだ炎を纏っている剣がグールに更なるダメージを与えた。
「ガウゥ!」
グールは炎に包まれその場に崩れ落ちる・・・・
爆炎で手足を吹き飛ばされたグールもいたが、体勢を整えた残りのグール達はすぐさまイルトへ攻撃を加えた。
「・・・」
イルトは囲まれながらも敵の攻撃をかわしていく・・・・数が多い・・・
このままでは殺られるのは時間の問題と悟りイルトは攻撃へと転じる。
「うぉぉぉ!」
イルトは剣を雪の積もった地面に叩きつけ雪の煙幕を作る。
ボフ!
粉雪が舞い上がりグールは一瞬イルトを見失った。
その隙にイルトはインデュアを唱え、グールの群れから抜け出す。
何匹かの攻撃が掠ったがイルトは怯むことなく攻撃を仕掛ける。
「バッシュ!!」
凄まじい光の閃光がグールを捉えた!
「グオォ!」
煙幕の中で突如繰り出された一撃にグールは一瞬怯み、その隙にイルトはさらに二連撃を加えた。
ザザン!
グールはそのまま崩れ落ちた・・
残りのグールは煙幕の中で攻撃を繰り出すが空を切っていた。
その隙にイルトは敵の中央に入ると詠唱を始めた。
イルトを見つけたグールが攻撃を仕掛けてきた。
攻撃をかわしたイルトは詠唱しながら敵を踏み台に空中へと飛び上がった。
バキ!
そしてそのまま空中で反転し落下と同時に敵の頭上へ爆炎を繰り出した。
「マグナムブレイク!」
ドン!
「ウガァァ!!」
頭上からの爆炎をかわす術も無くまともに喰らい、グールの群れは吹き飛んだ。
真上でまともに爆炎を浴びた二匹は跡形も無く消し飛んだ。
爆炎に乗りグールから離れた場所に着地すると、イルトは態勢を整え剣を構える。
しかしその時、イルトは背後に気配を感じた。
なんとイルトの背後にレイスが回りこんでいた!
バシュ!
「ぅ!」
迂闊だった・・レイスの攻撃をまともに喰らい吹き飛ぶイルト。
レイスの呪いがイルトを襲った・・。
「く!・・・」
全身から力が抜け身体が重い・・・・。
その隙にグールが一斉にイルトへと飛び掛った!!
「ガアゥ!!」
思うように身体が動かない・・・・・・ここまでか・・
「うぉぉ!!間に合え!!!ブランディッシュスピア!!」
突如現れた騎士がペコペコの力を借りて大きく槍を振り回し、グールの群れを弾き飛ばした!!
「ゴウァ!!」
その凄まじい衝撃に二匹のグールが跡形も無く消し飛んだ・・・。
「何とか間に合ったな、しかし何故こんな所にグールやレイスが・・・。
そこの剣士、これを使え!」
そう言って騎士はイルトに聖水を渡した。
言われるがままにイルトは聖水を口にした。
聖なる水が呪いを打ち消しイルトの身体に力が戻る。
「俺はレイスを相手にする、そっちは残りのグールを頼む!グールも今の攻撃で大分弱っている筈だ。・・・行けるな!?」
・・・コク。
イルトは無言で頷いた。
「よし・・行くぞ!!」
騎士の合図と共にイルトはグールへと突進する。
先ほどの騎士の攻撃が効いているのか、グールの動きが鈍い。
先制をとったイルトは空中に飛び、落下の威力を加えグールに渾身の一撃を加えた。
ザシュゥ!!!
真っ二つに切り裂かれ、グールはそのまま崩れ落ちる。
連続の戦闘で疲労の色を隠せないイルトだったが、休む間も無く攻撃を繰り出す!!
しかし下から上に切り上げた剣は敵を捉えることなく空を斬った。
大降りをし体勢がまだ整っていないイルトをグールが全身全霊で捨て身の攻撃してきた!!!
「く!」
キン!!
ギリギリ剣を盾に攻撃を防いだが、その勢いは殺せず後方へと弾き飛ばされてしまった。
「ぅ・・・・・く!!」
なんとその隙を計ったかのようにもう一匹のグールが止めを刺そうとイルトに迫ってきていた。
体勢が悪い・・かわせない・・・
「ガウ!」
しかし突然グールは後方へ吹き飛んだ。
それは騎士の放ったスピアスタブだった。
イルトが飛ばされた場所・・そこはレイスを相手にしていた騎士の近くだった。
「大丈夫か!?」
「・・・・」
しかしイルトは無言で直ぐに体勢を立て直すと、近くにいる騎士にこう言った。
「俺にマグナムブレイクを使え!!」
「な!?」
しかし騎士は冗談ではないと一瞬で悟り
「どうなっても知らないからな!?」
そう言って槍に炎を纏い爆炎を起こした!!
そのタイミングを計り爆風に乗るイルト。
「く!!!」
意識が飛びそうになる・・手加減しているとは言え騎士のマグナムブレイクの威力は凄まじかった。
意識が飛びそうになりながらもイルトは爆風に乗り、一気にグールとの間合いをつめた。
着地と同時に前へ地面を蹴り剣に威力を加えた!!
「バッシュ!!」
凄まじい閃光が一瞬でグールを切り裂く!!
「ガウァァ!!!」
断末魔を上げ崩れグールは落ちる・・・・
その時背後に殺気を感じイルトは横に飛んだ!
「ガウ!」
最後のグールが背後から攻撃を仕掛けてきていた。
横に飛び攻撃をかわすと反転してそのまま勢いを乗せ剣を振るう。
キン!
甲高い金属音が辺りに響く。
グールに攻撃を弾き返されたイルトだったが、その反動を利用し逆回転をして追撃した!
「バッシュ!!」
下から切り上げるように繰り出されたその光の閃光は、地面の雪を舞い上げながらグールの急所を捉えた!
「グアゥ!!」
凄まじい剣圧で急所を捉えられたグールはその場に硬直した。
「うぉぉぉ!!」
イルトはその気を逃さず、剣をグール心臓に突き立てた!!!
ザク!!!
鋭い切っ先がグールを貫く。
そして詠唱と共に最後の力を振り絞る・・・・
「マグナム・・・ブレイク!!!!!」
心臓に突き刺さった剣に炎が伝い爆炎が起こる!!!!
ズドン・・・・
零距離でのマグナムブレイク・・・・・
その絶大な威力は容赦なくグールを跡形も無く消し飛ばした。
終わった・・・そう思った瞬間、イルトは全身の力が抜けその場に膝をついた。
怒りから我に返るイルト・・・瞳はもとの淡い青色へと戻っていた。
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by iruto | 2007-10-12 08:05 | 風に舞う花のように
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