風に想いをのせて・・・

風に舞う花のように~第1章~

11が長かったので一気に投稿できなかった・・・



「はぁはぁ・・・・」
我に返ったイルトには、自分が今何をしたのかよくわからないでいた。
まともな戦い方も覚えていなかった自分が何故あんな技を使えたのか、何故あんな動きが出来たのか・・・それすらわからなかった。
ただ・・・あの時はそれが出来るのが普通・・・そんな感覚だった・・・・。
何もわからないままだったが今は気にしてもいられない、そう思いイルトは立ち上がろうとした。
「く!!!」
だが無理をし続けたイルトの身体は悲鳴を上げ、立つことも出来なくなっていた。
するとそこに
「お疲れさん」
そう言いさっきの騎士がペコペコから降りてこちらに向かって歩いてきた。
どうやら騎士の方も戦闘を終えたようだ。
「お前かなり無茶するんだな・・・とりあえずこれ飲めよ」
騎士はイルトに白ポーションを手渡した。
イルトはそれを一気に飲み干した。
不思議な光がイルトを包み込む。
白い不思議な光によって底をつきかけていた体力が大分回復し、なんとか立つことが出来るようになった。
「ありがとう・・・ございます・・」
その言葉を聞いた騎士は自然な笑みを浮かべた。
「どういたしまして」
騎士はそう言うと、先ほどは瞳の色が変わっているイルトに気づき、不思議そうにイルトの顔を覗き込んだ。
不思議そうに眺めていた騎士だったが、突然何かを思い出した顔をしてこう言った。
「あれ?お前もしかしてイルトか??」
「え?」
「やっぱりそうだ、お前イルトだろ~。俺だよマキシミリアン、前に一緒に狩りに行ったの覚えていないか?クラウと一緒に行ったやつ」
「え?」
その発言に少し驚いたイルトだったが首を横に振るとこう言った。
「・・・すいません・・俺には昔の記憶がないので・・」
「記憶が無い!?」
マキシミリアンは一瞬信じられなかった。
だがイルトの顔を見て嘘ではないとすぐにわかった。
「そうなのか・・・・・」
「もしよければ俺について何か知っていることがあれば教えてくれますか?」
「すまない、俺もイルトの素性は何も知らないんだ。前のお前は自分の事は一度も話そうとしなかったから」
「そうですか・・・・」
「すまんな、力になれなくて」
「いえ、いいんです」
そう言うとイルトは立ち上がりマキシミリアンに背を向け歩き出した。
「お・・おい、どこに行くんだ?」
マキシミリアンはそう言うとイルトを追いかけた。
そしてイルトが立ち止まった場所・・・そこには雪の上に静かに横たわる一人のアコライトがいた。
「っ・・・・・・」
ここで何が起こったのかを知り、マキシミリアンは悲痛な顔を浮かべた。
「お前・・・・」
「俺は・・・大切な人を守ってあげることが出来なかった・・・」
「・・・・・・」
「自分は命を懸けてでも守るって・・そう思っていたのに・・・・
何故俺は生きている・・・大切な人さえ守れなかった俺が・・・何故生きている・・・」
「・・・・・・・」
「・・・ぅ・・・・・」
大切な人さえ守れない・・イルトはそんな自分が許せなかった・・・。
そして、こうして自分だけが生き残ってしまったことが何よりも辛かった・・。
しばらくの間沈黙が続く・・・。
だがしばらくしてマキシミリアンが口を開いた。
「俺には昔、とても大切な人がいた。俺は命を懸けてもその人を守ると・・・そう決めていた。いや・・・俺なら出来ると・・・そう信じていた。だが・・・俺はその人を守ることが出来なかった・・・」
一瞬マキシミリアンは悲しげな表情を見せたが話を続けた。
「その時俺は自分の弱さを呪った、守ることも出来なかった自分が許せなかった。
このまま朽ち果ててしまいたい・・・そう思ったこともあった。だがな、それでも俺達は立ち止まることは出来ないんだ。その人が生きられるのはもう・・想い出の中だけだから・・。
そして、その人が生きていたという証を伝えることが出来るのも・・・俺達だけなんだよ」
「・・・・・・・・・」
「だから俺は、大切な人の想いを背負うことを選んだ。そして想いを伝えるために、前を進む道を選んだ。でも俺はそれをお前に強制するつもりはない、最後に決めるのはお前自身なのだから。そして背負う辛さは俺が良くわかっているしな・・・・」
「・・・・・・・」
「だが」
そう言ってマキシミリアンはイルトにある物を差し出した。
「・・・・・これは?」
「俺の所属しているギルドのエンブレムだ」
それは第3大隊第5中隊所属遊撃部隊 部隊名スノーシロップのエンブレムだった。
「それをどうするかはお前の自由だ、この場で捨ててもかまわない。
だがもし俺と同じ道を歩むと決めたその時は、きっとそれを貫き通す為の力が必要になるだろう。そして自分の居場所を必要とするだろう」
「・・・・・・・」
「だからその時はこのギルドに来てくれ。きっとお前の望む物がこのギルドで見つかるろう」
「・・・・・・・・・」
「イルト、自分の運命から逃げるなよ」
そう言ってマキシミリアンはペコペコに乗りこの場を後にした。
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by iruto | 2007-10-12 08:06 | 風に舞う花のように
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